フェイスリフト(切開リフト)を検討する際、最も大きな不安要素となるのが「傷跡が残るのではないか」という点です。たるみを根本的に引き上げたい一方で、顔の見える位置に消えない傷が残るリスクは避けたいと考えるのは自然なことです。
切開を伴う手術である以上、完全に無傷で済むことはありません。しかし、適切な術式選びと熟練した医師の技術、そして術後の正しいケアによって、傷跡を他人に気づかれないレベルまで馴染ませることは十分に可能です。
この記事では、フェイスリフトによる傷跡の経過から、傷が目立つ原因、そして後悔しないための対策までを詳しく解説します。
- 切開リフトの傷跡が目立たなくなるまでの具体的な期間と経過
- 傷跡が残りやすくなる体質や手術における原因
- 傷跡を最小限に抑えるための医師の技術的工夫
- 術後に傷をきれいに治すための具体的なケア方法
- すでに目立ってしまった傷跡の修正治療の選択肢

フェイスリフトは、費用も決断も大きい治療です。
「自分の部位だと実際いくらかかるのか」
「ネットの相場より高い金額を提示されたらどうしよう」
「年齢的に、自分に向いている施術なのか不安」
と感じるのは、すごく自然なことです。
必要な施術範囲は、肌の弾力やたるみの状態で一人ひとり違うため、ネットの相場だけで判断するのは難しいもの。
当院の徳田院長は、年齢や骨格・肌質によっては、あえて手術をお断りすることもあります。
大切なのは「フェイスリフトをするかどうか」ではなく、「あなたの悩みを最短で解決する方法は何か」だからです。
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フェイスリフトの傷跡は目立つ?
- 一般的な切開リフトにおける傷跡の治癒プロセス
- 時期別の傷跡の状態(赤み、硬さ、白く馴染むまで)
- ミニ切開リフトや糸リフトなど、術式による傷跡の違い
切開リフトの傷跡が治るまでの具体的な経過目安

切開リフトの手術において、傷跡が最終的な状態に落ち着くまでには、一般的に半年から1年程度の長期間を要します。人間の皮膚がメスによる切開ダメージから回復するプロセスは「創傷治癒」と呼ばれる生体反応であり、一定の段階を踏んで進行するためです。
手術直後から数ヶ月間は、炎症反応により傷跡が赤く目立ったり、触ると硬く感じたりする時期が続きます。これは異常なことではなく、組織が修復に向かっている正常な過程と言えます。時間が経過するにつれて赤みは徐々に引き、硬さも取れて柔らかくなり、最終的には周囲の肌の色に近い白い一本の線へと変化していきます。
傷の治り方には個人差が大きく影響します。年齢、肌質、生活習慣などによって回復のスピードは異なります。そのため、術後数ヶ月の段階で「傷跡が目立っている」と過度に焦る必要はありません。以下に、一般的な時期別の経過目安をまとめた表を示します。
| 術後の時期 | 傷跡の状態・症状 | 必要なケア・注意点 |
|---|---|---|
| 術後〜1週間(抜糸まで) | 強い赤み、腫れ、内出血、痛み | 絶対安静、圧迫固定、患部を濡らさない |
| 術後1ヶ月〜3ヶ月 | 赤み、硬さ、つっぱり感(拘縮) | テープ保護、紫外線対策、過度な刺激を避ける |
| 術後半年〜1年以上 | 白く平坦になり周囲に馴染む(成熟瘢痕) | 通常のスキンケア(異常があれば受診) |
術後直後から抜糸までは赤みや腫れが生じやすい
手術直後から約1週間後の抜糸を迎えるまでの期間は急性炎症期と呼ばれ、傷跡の赤みや腫れが最も強く現れる時期です。皮膚を切開したことで血管がダメージを受け、修復のために患部に血液やリンパ液が集まることが主な原因となります。
この時期は、縫合された傷口周辺がミミズ腫れのように盛り上がったり、内出血によって青紫色に変色したりすることもあります。また、痛みや熱感を伴うケースも少なくありません。抜糸を行うまでの間は、傷口が完全に塞がっていないため、感染症を防ぐ意味でも非常にデリケートな状態が続きます。
医師の指示に従って患部を清潔に保ち、処方された抗生剤や痛み止めを適切に服用することが求められます。外見上のダウンタイムが最も顕著な期間であるため、この時期は外出を控えるか、帽子やマスク、髪の毛などで傷跡をカバーする工夫が必要です。
術後1ヶ月から3ヶ月は傷跡の赤みや硬さが目立つ時期
抜糸を終えてから術後1ヶ月から3ヶ月の期間は、増殖期から成熟期への移行段階にあたります。傷口自体は塞がっていますが、コラーゲンが過剰に生成されることで、傷跡が赤くミミズ腫れのようになったり、触ると硬くつっぱるような感覚(拘縮)が生じたりする時期です。
この硬さや赤みは、傷をより強固に修復しようとする体の正常な働きによるものです。特に耳の裏側など皮膚の緊張が強い部位では、硬さや引きつれ感を強く感じやすい傾向があります。見た目にも赤い線として残っているため、まだメイクなしでは傷跡が分かりやすい状態と言えます。
この時期に焦ってマッサージをしたり、患部を過度に触ったりすると、かえって炎症を長引かせる原因となります。紫外線対策や保湿を徹底し、自然に組織が柔らかくなるのを待つことが、最終的に傷跡をきれいに仕上げるための重要なポイントとなります。
半年から1年以上の経過で傷跡は白く馴染む傾向
術後半年から1年以上が経過すると、成熟期と呼ばれる最終段階に入り、傷跡は徐々に白く平らになり、周囲の皮膚に馴染んでいきます。過剰に生成されていたコラーゲンが吸収・再構築され、組織の硬さが取れることで、引きつれ感も解消される傾向にあります。
この段階まで来ると、傷跡は細く白い線(成熟瘢痕)となり、よく見ないと分からないレベルまで目立たなくなるのが一般的です。耳の輪郭や髪の毛の生え際など、元々シワや境界線がある部位に沿って切開されていれば、他人にフェイスリフトの手術を受けたことを気づかれるリスクは大幅に減少します。
ただし、完全に元の皮膚と同じ状態に戻るわけではありません。また、ケロイド体質の方や、術後のケアが不十分だった場合には、この時期になっても赤みや盛り上がりが残るケースも存在します。1年以上経過しても傷跡が目立って気になる場合は、担当医に相談し、適切な処置や修正治療を検討することが推奨されます。
ミニ切開リフトは切開範囲が狭く傷跡が目立ちにくい

ミニ切開リフトは、こめかみ周辺や耳の前の限られた範囲のみを切開するため、フルフェイスリフトと比較して傷跡が短く目立ちにくいという特徴があります。たるみの症状が比較的軽度な方や、主にフェイスラインのもたつきのみを改善したい方に適した術式です。
切開範囲が狭い分、手術による体への負担が少なく、術後の腫れや内出血といったダウンタイムも短く済む傾向があります。傷跡自体も、もみあげの髪の毛の中や耳の軟骨の際に隠れるようにデザインされることが多く、術後の比較的早い段階から目立ちにくくなるのが利点です。
一方で、切開範囲が限定されるため、顔全体の強いたるみや首のシワまでを大きく引き上げるような劇的な変化は望めません。傷跡のリスクを最小限に抑えたいというメリットと、得られるリフトアップ効果のバランスを考慮し、自身のたるみの状態に適応するかどうかを医師と慎重に相談することが求められます。
糸リフトは針穴のみで切開を行い傷跡が残らない
メスを使った切開手術にどうしても抵抗がある場合、糸リフト(スレッドリフト)が傷跡を残さない有効な選択肢となります。特殊な突起(コグ)がついた医療用の糸を皮下組織に挿入し、内側から組織を引き上げることでたるみを改善する治療法です。
糸の挿入口としてこめかみや髪の生え際などに小さな針穴が開きますが、数日で自然に塞がり、切開リフトのような線状の傷跡が残ることはありません。ダウンタイムも数日から1週間程度と短く、周囲にバレずに治療を受けたい方に選ばれる傾向が強いと言えます。
しかし、糸リフトの効果は永久ではなく、使用する糸の種類にもよりますが、半年から2年程度で体内に吸収され、元の状態に戻っていくのが一般的です。根本的なたるみの除去ではなく、組織の再配置による一時的なリフトアップである点を理解しておく必要があります。長期間の効果を望む場合は、定期的な施術の繰り返しや、将来的な切開リフトへの移行を視野に入れることになります。
フェイスリフトの傷跡が目立つ原因と残りやすいケース

- 医師の技術不足が傷跡に与える影響
- 個人の体質(ケロイド等)による傷跡の悪化リスク
- 皮膚の張力など手術の構造的な問題
医師の切開デザインや縫合技術の不足が傷跡に直結する
フェイスリフトの傷跡の仕上がりは、執刀する医師の技術力に大きく依存します。適切な切開ラインのデザインと、組織に負担をかけない精密な縫合技術が伴っていない場合、目立つ傷跡が残る危険性が高まります。
人間の顔には、耳の軟骨の輪郭や髪の毛の生え際など、自然なシワや境界線が存在します。これらのラインに沿って緻密に切開をデザインできるかどうかが、傷跡を隠す上で非常に重要となります。また、縫合の際に皮膚の端と端を正確に合わせ、段差が生じないように縫い合わせる「真皮縫合」などの高度な技術が不可欠です。縫合が粗かったり、糸の締め付けが強すぎたりすると、傷口が治癒する過程でミミズ腫れのような瘢痕になりやすい傾向があります。
美容外科の分野では、医師の経験値や得意とする術式にばらつきがあります。傷跡をきれいに仕上げるためには、解剖学的な知識を熟知し、フェイスリフトの症例を豊富に持つ熟練した医師を見極めることが、失敗を避けるための第一歩となります。
ケロイド体質や肥厚性瘢痕の発生が傷跡を目立たせる要因
手術の技術だけでなく、患者自身の体質も傷跡の経過に大きな影響を及ぼします。特に注意が必要なのが、ケロイド体質や肥厚性瘢痕を発症しやすいケースです。これらは、傷が治る過程でコラーゲンが過剰に産生され、傷跡が赤く盛り上がってしまう状態を指します。
肥厚性瘢痕は切開した傷の範囲内に留まって盛り上がるのに対し、ケロイドは本来の傷の範囲を超えて周囲の正常な皮膚にまで赤みや盛り上がりが拡大していくという特徴があります。耳の周囲はケロイドや肥厚性瘢痕が好発しやすい部位の一つであるため、フェイスリフトの手術においては特に警戒が必要です。
過去の怪我や手術、あるいはワクチン注射の跡などが赤く盛り上がって残っている方は、ケロイド体質である可能性が疑われます。事前のカウンセリングで必ず医師に申告し、適切な予防策を講じることが重要です。日本形成外科学会などでも、瘢痕やケロイドに関する情報が提供されており、専門的な治療の重要性が説かれています。
皮膚のみを強く引き上げる無理な手術が傷口に負担をかける原因
傷跡が汚く残ってしまう大きな原因の一つに、皮膚表面に過度な張力(引っ張る力)がかかっていることが挙げられます。たるみを引き上げようとするあまり、皮膚のみを強く引っ張って縫合するような無理な手術を行うと、傷口が常に左右に引っ張られる状態になります。
人間の皮膚は、常に強い力で引っ張られていると、その力に抵抗して傷口が開かないように、より多くのコラーゲンを生成して傷を強固にしようと反応します。その結果、傷跡の幅が広がったり、赤く盛り上がった肥厚性瘢痕になったりするリスクが著しく高まる傾向にあります。また、耳たぶが下方に引っ張られて変形する「耳垂変形(ピクシーイヤー)」などの合併症を引き起こす原因にもなります。
これを防ぐためには、皮膚の下にあるSMAS(スマス)と呼ばれる筋膜組織を根元からしっかりと引き上げ、皮膚自体には余計なテンションをかけずにふんわりと縫合する技術が不可欠です。皮膚の切除量だけでリフトアップ効果を出そうとする古い術式には、傷跡の観点から大きなリスクが伴うことを理解しておく必要があります。
切開リフトの傷跡を最小限に抑えるために
- 傷跡をカモフラージュする切開ラインのデザイン
- SMAS筋膜処理による皮膚への負担軽減
- 医師の技術や経験が結果を左右する理由
耳の輪郭や髪の毛の生え際に沿った目立たない切開ラインの設定

経験豊富な医師は、傷跡そのものを消すことはできなくても、見えなくする(カモフラージュする)ための高度な工夫を凝らします。その代表的なものが、解剖学的な構造に基づいた切開ライン(インシジョンデザイン)の設定です。
例えば、耳の前の切開では、一直線に切るのではなく、耳珠(耳の穴の前にある小さな出っ張り)の軟骨の縁に沿ってカーブを描くように切開する手法が取られることがあります。これにより、傷跡が耳の自然な陰影に紛れ込み、治癒後はほとんど見分けがつかなくなります。また、こめかみや耳の後ろの切開ラインは、髪の毛の生え際ギリギリや有毛部(髪の毛の中)に配置することで、髪型で容易に隠すことが可能です。
一人ひとりの耳の形、髪の生え際、シワの入り方は異なります。定型的な切開を行うのではなく、患者の顔の形状に合わせて、最も傷跡が隠れやすいラインをオーダーメイドでデザインする技術が、仕上がりの自然さを決定づける重要な要素となります。
皮膚表面への張力を減らすSMAS筋膜の引き上げと丁寧な縫合が重要

前述の通り、傷跡をきれいに治すためには、縫合部の皮膚に張力(テンション)をかけないことが絶対条件です。これを実現するための現代フェイスリフトの標準的な技術が、SMAS(表在性筋膜)の適切な処理です。
SMAS筋膜とは、皮膚の深層にある顔の筋肉を覆っている膜のことです。たるみの根本原因はこのSMASの緩みにあるため、皮膚だけでなく、このSMASを引き上げて強固に固定します。土台となるSMASでしっかりとリフトアップ効果を保持することで、表面の皮膚は余った分を優しく切り取るだけで済み、縫合部に無理な引っ張る力がかからない状態を作れます。
さらに、皮膚の縫合においても、真皮層と表皮層を分けて丁寧に縫い合わせる多層縫合を行うことが重要です。溶ける糸を用いて真皮層で組織をしっかりと寄せ合わせることで、表面の皮膚はテープで留めるだけでも塞がるほど張力のない状態を作り出します。この徹底した張力軽減が、細く目立たない白い傷跡を形成するための最大の秘訣となります。
傷跡の経過を予測した実績豊富な医師選びが失敗を防ぐ鍵

フェイスリフトは美容外科手術の中でも特に高度な解剖学的知識と経験を要する大掛かりな手術です。そのため、傷跡のリスクを最小限に抑えるためには、クリニックの知名度や価格の安さではなく、執刀する医師の実績と専門性を基準に選ぶことが最も重要となります。
実績のある医師は、手術直後の仕上がりだけでなく、半年後、1年後、あるいは数年後に傷跡がどのように変化し、組織がどう落ち着くかという長期的な経過を正確に予測して手術を行います。患者の皮膚の厚さ、弾力、骨格、そして傷の治りやすさといった個別の要素を総合的に判断し、最適な術式と縫合方法を選択できる能力を持っています。
カウンセリングの際には、メリットやリフトアップ効果ばかりを強調するのではなく、傷跡のリスクや限界、ダウンタイムの経過について包み隠さず説明してくれる医師を選ぶことが推奨されます。また、症例写真を確認する際は、手術直後だけでなく、術後半年や1年が経過した長期的な状態のアップ写真を見せてもらい、技術力を客観的に評価することが大切です。
フェイスリフト術後の傷跡をきれいに治すための注意点

- 術後直後の安静と固定の重要性
- ダウンタイム中のNG行動(血流を上げる行為など)
- 抜糸後の長期的なケア(テープ保護、紫外線対策)
術後直後は患部への刺激を避け安静に過ごすことが必須
手術を無事に終えた後、傷跡をきれいに治癒させるためのバトンは患者自身のセルフケアに渡されます。特に術後数日間から1週間程度は、傷口が最も不安定で出血や腫れが起こりやすい時期であるため、徹底した安静が必須条件となります。
クリニックからは、術後にフェイスバンド等による圧迫固定が指示されることが一般的です。これは、組織のズレを防ぎ、内出血や腫れを最小限に抑えるための極めて重要な処置です。自己判断で外したり、固定を緩めたりすると、組織に血腫(血の塊)ができ、結果的に傷跡の治りを遅らせたり、形を歪めたりする原因となります。
また、就寝時は枕を高くして頭を心臓より高い位置に保つことで、顔への血流を穏やかにし、腫れを軽減する効果が期待できます。洗顔や洗髪も医師の許可が出るまでは控え、患部を濡らしたり擦ったりする物理的な刺激を絶対に避けるよう心がける必要があります。
入浴や激しい運動など血流を促進する行動の制限が必要
術後のダウンタイム期間中は、体温を上げ、血流を著しく促進するような行動は厳禁となります。血流が良くなることで炎症が強まり、腫れや内出血が悪化する危険性があるためです。また、血圧が上がることで、塞がりかけていた血管から再出血を起こすリスクも高まります。
具体的には、長時間の入浴(湯船に浸かること)やサウナ、激しいスポーツ、過度な飲酒などがこれに該当します。術後少なくとも1〜2週間は、入浴は軽めのシャワーで済ませ、運動も軽いウォーキング程度に留める必要があります。飲酒も炎症を助長するため、抜糸が終わるまでは控えるのが賢明です。
さらに、顔の筋肉を大きく動かす行為も傷口に負担をかけます。大口を開けて笑ったり、硬いものを無理に噛み砕いたりすることは避け、消化が良く柔らかい食事を選ぶなど、日常生活の細部においても傷跡への配慮が求められます。
抜糸後の傷跡に対するテープ保護と紫外線対策が色素沈着を防ぐ有効な手段
抜糸が完了し、傷口が塞がった後も、傷跡のケアは継続する必要があります。この時期のケアの目的は、傷跡の幅が広がるのを防ぎ、色素沈着(シミ)を起こさせないことです。
有効な手段の一つが、医療用のサージカルテープによる保護です。傷跡に対して垂直にテープを貼ることで、皮膚が左右に引っ張られる力(張力)を物理的に抑え、傷跡が太くなったり盛り上がったりするのを防ぎます。医師の指示に従い、術後数ヶ月間は継続してテープを貼ることが推奨されます。
また、形成されたばかりの新しい組織は紫外線に対する防御力が非常に弱く、紫外線を浴びると過剰なメラニン色素が生成され、傷跡が茶色く色素沈着してしまうリスクがあります。外出時はテープの上から日焼け止めを塗る、つばの広い帽子を被る、日傘をさすなど、徹底した紫外線対策を行うことが、傷跡を周囲の肌色に馴染ませるための重要なプロセスとなります。
他院でのフェイスリフトの傷跡が目立つ場合の傷跡修正治療

- ステロイド注射を用いた非切開の治療法
- 切除と再縫合による根本的な修正手術
- レーザー治療による色味や質感の改善アプローチ
盛り上がった肥厚性瘢痕やケロイドにはステロイド注射が有効な選択肢
他院で受けたフェイスリフトの傷跡が、術後数ヶ月経過しても赤くミミズ腫れのように盛り上がったままの場合、肥厚性瘢痕やケロイドを発症している可能性があります。このようなケースにおいて、まず検討される非外科的(切らない)治療法が、ステロイドの局所注射です。
ステロイド注射には、過剰なコラーゲンの生成を抑え、組織の炎症を鎮める強力な作用があります。盛り上がった傷跡に直接注射を打つことで、数週間かけて徐々に傷跡が平坦になり、赤みも引いていく効果が期待できます。治療は一度で終わることもあれば、状態に応じて数週間から1ヶ月間隔で複数回繰り返すケースもあります。
ただし、ステロイドの量や濃度が多すぎると、周囲の正常な皮膚が薄くなったり(皮膚萎縮)、凹んでしまったりする副作用のリスクが伴います。そのため、傷跡の状態を正確に見極め、適切な量を的確に注射する医師の経験と判断力が不可欠となります。
傷跡の状態によっては切除および再縫合によるフェイスリフト傷跡修正が可能
ステロイド注射では改善が難しい幅の広い傷跡や、段差が生じてしまっている傷跡、あるいは皮膚の引きつれ(拘縮)が強い場合には、再度メスを入れて傷跡そのものを切り取り、きれいに縫い直す「瘢痕切除術(傷跡修正手術)」が適応となるケースがあります。
この手術では、過去の手術で生じた汚い傷跡の組織を丁寧に取り除き、周囲の皮膚を剥離して緊張を緩めた上で、特殊な縫合技術(Z形成術やW形成術など)を用いて再縫合を行います。これにより、傷跡にかかる張力を分散させ、一本の細く目立たない線へと修正することが可能です。同時に、SMASの再引き上げ等を行って、リフトアップ効果の修正を兼ねることもあります。
再手術は初回の手術よりも組織の癒着などが進んでいるため、より高度な技術を要求されます。また、修正手術後も再び肥厚性瘢痕などを起こすリスクはゼロではないため、術後の徹底したアフターケアが必須となります。修正手術を検討する場合は、傷跡修正や他院修正を専門的に行っているクリニックを選ぶことが重要です。
レーザー治療による赤みや凹凸の改善も検討の余地あり
傷跡の盛り上がりは落ち着いたものの、赤みが長く残っている場合や、表面のわずかな凹凸、色素沈着が気になる場合には、医療用レーザーを用いた治療が有効なアプローチとなります。
赤みが強い傷跡に対しては、血液中のヘモグロビンに反応して毛細血管を破壊し、赤みを消失させる色素レーザーなどが用いられる傾向があります。一方、傷跡の質感(凹凸や硬さ)の改善には、皮膚に微細な穴を開けて自己治癒力を促し、組織の再構築を図るフラクショナルレーザーなどが選択肢となります。茶色い色素沈着に対しては、トーニング治療が行われることもあります。
レーザー治療はメスを使わないためダウンタイムが比較的軽いというメリットがありますが、劇的な変化を一度で得ることは難しく、複数回の通院による根気強い治療が必要になる傾向があります。現在の傷跡の症状に合わせて、最適なレーザー機器を選択できる皮膚科や美容皮膚科の専門医に相談することが推奨されます。
フェイスリフトの傷跡に関するよくある質問
- 傷跡をメイクで隠せる時期の目安
- 異常な症状(ケロイドなど)が出た際の対処法
- 術後の傷跡を周囲に気づかれないための工夫
抜糸の翌日以降からメイクで切開リフトの傷跡を隠すことが可能
多くの場合、術後約1週間で行われる抜糸の翌日から、傷跡部分を含めた顔全体のメイクが可能となります。抜糸直後はまだ傷跡に赤みがあり、目立ちやすい状態ですが、コンシーラーやファンデーションを使用することで、ある程度カバーすることができます。
ただし、傷口が完全に塞がったとはいえ、まだ組織はデリケートな状態です。メイクをする際は患部を強く擦らないよう優しく触れること、そしてメイクを落とす際もクレンジング剤でゴシゴシと刺激を与えないよう注意が必要です。感染症のリスクを避けるためにも、清潔なメイク道具を使用することを心がける必要があります。
傷跡が赤く盛り上がるケロイド症状が出た場合は早期の診察が必要
術後1ヶ月以上経過しても傷跡の赤みが引かないどころか、徐々に盛り上がってきたり、元の傷の範囲を超えて赤みが広がったりする強い痒みや痛みを伴う場合は、ケロイドや肥厚性瘢痕を発症している疑いがあります。
このような症状が現れた場合、放置して自然に治ることは期待できません。むしろ時間が経つにつれて悪化し、治療が困難になる可能性があります。自己判断で市販の軟膏などを塗るのではなく、速やかに手術を受けたクリニック、または形成外科や皮膚科を受診し、ステロイド注射や内服薬などの適切な医療処置を早期に開始することが非常に重要となります。
術後の傷跡が周囲にバレるリスクは髪型の工夫で最小限に抑えられる
フェイスリフトの手術直後から数ヶ月間、傷跡が赤く目立つ時期であっても、髪型の工夫によって周囲にバレるリスクを大幅に減らすことができます。特に耳の周りやこめかみの切開ラインは、髪の毛を下ろすことで大部分を隠すことが可能です。
手術を受ける前から、耳が隠れるようなボブスタイルやミディアムヘアにしておくことをお勧めします。髪を結ぶ必要がある場合でも、サイドの後れ毛を残して耳周りをカバーするようなアレンジが有効です。美容室に行く際は、担当の美容師に手術を受けた旨を伝え、傷跡が見えにくいようにカットやスタイリングを工夫してもらうことも一つの方法となります。


