目の下のたるみや深いほうれい線は、顔全体の印象を大きく左右し、疲れた表情や老けた印象を与える原因となります。中顔面リフト(ミッドフェイスリフト)は、これらの悩みを根本から改善し、若々しい表情を取り戻すための有効な選択肢として注目されています。
しかし、顔の中心部分にアプローチする手術であるため、ダウンタイムの期間や術後の腫れ、日常生活への影響に不安を感じる方は少なくありません。手術を受ける前に、術後経過の目安や正しい過ごし方、想定されるリスクを正確に把握しておくことが、後悔のない選択に繋がります。
- 中顔面リフトのダウンタイム期間と症状のピーク
- 術後から完成までの時系列に沿った具体的な経過
- ダウンタイムを長引かせないための適切な過ごし方
- 手術に伴うデメリットと知っておくべきリスク
- 中顔面リフトが適している人の特徴と期待できる効果
- ハムラ法など他の施術との併用による相乗効果

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中顔面リフト(ミッドフェイスリフト)のダウンタイム期間と主な症状

- 腫れや内出血が最も強く出る期間の目安
- 目立つ症状が落ち着くまでの一般的な日数
- むくみや違和感が残る期間と完成までの道のり
腫れや内出血のピークは術後2〜3日の傾向
中顔面リフトを受けた後、腫れや内出血などの症状が最も強く現れるのは、術後2日から3日目にかけての時期です。これは、手術によって組織がダメージを受け、修復するための炎症反応がピークに達するためです。
顔の中心部である頬から目の下にかけては血管が豊富に存在するため、組織の剥離や引き上げを行うことで一時的な出血や浮腫が生じやすくなります。ピーク時には、顔全体がひと回り大きく見えたり、目の周りが開けにくく感じたりするほどの腫れを伴うケースも珍しくありません。
内出血は、皮膚の薄い目の下周辺に紫色や赤紫色のあざとして現れることが多い傾向にあります。この時期は症状が最も目立つため不安になりやすいですが、正常な治癒過程の一部であり、時間とともに必ず引いていく症状です。ピークを過ぎると、腫れは少しずつ引き始め、内出血の色も徐々に黄色っぽく変化していきます。
目立つダウンタイム症状は1〜2週間で落ち着く可能性
術後2〜3日のピークを越えると、大きな腫れや目立つ内出血は、おおよそ1週間から2週間程度で落ち着いていくのが一般的な経過です。抜糸が行われる術後1週間前後には、ピーク時の痛々しい状態からかなり回復しているケースが多く見られます。
1週間が経過する頃には、内出血の色が紫色から黄色や緑色へと変化し、コンシーラーやファンデーションなどのメイクで十分にカバーできるようになることがほとんどです。腫れに関しても、大きなマスクや眼鏡を着用すれば、周囲に手術をしたと気づかれにくいレベルまで落ち着いてきます。
そのため、デスクワークを中心とした仕事への復帰や、長時間の外出を伴わない日常的な用事であれば、術後1週間から10日程度を目安に再開される方が多い傾向にあります。ただし、体質や手術の範囲によっては症状が長引くこともあるため、余裕を持ったスケジュール調整が推奨されます。
むくみやつっぱり感は1〜3ヶ月続くケースが存在
目立つ腫れや内出血が引いた後も、顔のむくみや頬のつっぱり感といった違和感は、術後1ヶ月から3ヶ月程度続くケースが報告されています。これは、引き上げた組織や皮膚が新しい位置で完全に定着するまでに時間を要するためです。
特に、朝起きた直後は顔がむくみやすく、夕方になるにつれてスッキリしてくるといった日内変動を感じる方が多くいらっしゃいます。また、笑ったり大きく口を開けたりした際に、頬の奥が引っ張られるようなつっぱり感や、表情の作りにくさを感じることがあります。
これらの症状は、内部の組織が修復を続け、傷跡が徐々に柔らかくなっていく過程で生じる自然な反応です。時間の経過とともに組織が馴染み、皮膚の柔軟性が戻ってくることで、つっぱり感や不自然さは少しずつ解消されていきます。焦らずに経過を見守ることが重要です。
最終的な効果が定着する完成までの期間は3〜6ヶ月が目安
中顔面リフトの手術結果が最終的に定着し、いわゆる「完成」と呼ばれる状態になるまでには、術後3ヶ月から半年程度の期間を目安と考える必要があります。手術直後の引き上がり具合が、そのまま最終的な仕上がりになるわけではありません。
術後数ヶ月の間に、内部の瘢痕(はんこん)組織が成熟して柔らかくなり、不自然なむくみやわずかな左右差が調整されていきます。この期間を経て、ようやく皮膚と皮下組織が新しい位置でしっかりと癒着し、自然で滑らかな表情を取り戻すことができます。
美容医療の分野では、組織の完全な修復には最低でも半年を要するとされています。そのため、術後1〜2ヶ月の段階で仕上がりに不安を感じたとしても、まだ完成形ではないことを理解し、定期的な検診を受けながら医師とともに半年間は経過を観察していく姿勢が求められます。
ミッドフェイスリフトのダウンタイム中の経過と適切な過ごし方

- 術後直後のアイシングの重要性
- 日常生活再開のタイミングと運動制限
- メイクや洗顔を開始できる目安
- 入浴や飲酒がダウンタイムに与える影響
手術当日〜3日目はアイシングと安静の保持が重要
手術当日から術後3日目までの期間は、腫れや内出血を最小限に抑えるために、患部のアイシングと安静を保つことが非常に重要です。この時期の過ごし方が、その後のダウンタイムの長さを左右すると言っても過言ではありません。
保冷剤を清潔なタオルやガーゼで包み、頬から目の下にかけて優しく当てて冷やします。冷やしすぎは血行障害を招く恐れがあるため、1回15分程度を目安に、休憩を挟みながら断続的に行うのが効果的です。また、就寝時は枕を高くして頭を心臓より高い位置に保つことで、顔への血流を穏やかにし、むくみの悪化を防ぐことができます。
この期間は、血圧が上がるような行動は厳禁です。重いものを持つ、前かがみの姿勢を続ける、力むといった動作は、患部の出血を助長する危険性があります。できる限り家事や仕事は控え、リラックスした状態で体を休めることに専念する必要があります。
術後4日目〜1週間は激しい運動を避けた日常生活の再開
術後4日目以降になると、炎症のピークを越え、徐々に日常生活を再開していく時期に入ります。ただし、まだ組織は不安定な状態であるため、激しい運動や体力を消耗する活動は避ける必要があります。
軽い家事や、長時間の歩行を伴わない買い物程度の外出であれば可能になります。デスクワークへの復帰もこの時期から検討できますが、長時間のパソコン作業などは目の疲れから血流を増加させる可能性があるため、適度な休憩を挟むよう心がけてください。
ジョギングや筋力トレーニング、水泳などの激しい運動は、心拍数を上げ、血圧を上昇させるため、再び腫れや出血を引き起こすリスクがあります。最低でも術後2週間から1ヶ月程度は本格的なスポーツを控え、医師の許可を得てから段階的に再開していくことが安全な経過に繋がります。
メイクや洗顔は表面の抜糸翌日から可能なケースが多数
ダウンタイム中のメイクや洗顔の再開時期は、手術のアプローチ方法や傷口の状態によって異なりますが、一般的には表面の抜糸が行われた翌日から可能となるケースが多数を占めます。
切開を伴う中顔面リフトの場合、術後5日から1週間程度で抜糸が行われます。抜糸までの期間は、傷口を濡らさないようにするため、患部を避けた水洗いのみや、拭き取りタイプのクレンジング・洗顔料を使用することが推奨されます。抜糸翌日からは、泡立てた洗顔料で優しく顔全体を洗うことができるようになります。
メイクに関しても同様に、抜糸翌日から傷跡を含めた顔全体へのメイクが可能になります。コンシーラーを活用することで、残っている内出血や赤みを効果的にカバーし、外出時の精神的な負担を軽減できます。ただし、クレンジングの際に強く擦ると傷口が開く恐れがあるため、肌に負担の少ない方法で優しくメイクを落とすことが大切です。
ダウンタイムを短くするための入浴や飲酒に関する注意点
ダウンタイムをできるだけ短くし、順調な回復を促すためには、入浴や飲酒に関する生活習慣のコントロールが不可欠です。これらは血行を急激に促進し、腫れや内出血を長引かせる最大の要因となります。
入浴に関しては、術後1週間程度は湯船に浸かることを避け、ぬるめのシャワーのみで済ませるのが基本です。体が温まりすぎると患部の炎症がぶり返す可能性があるため、長時間のシャワーも控えるべきです。湯船での入浴は、大きな腫れが引き、医師の許可が出た後に再開してください。
飲酒も同様に、アルコールの血管拡張作用によって出血や腫れを悪化させるリスクが高いため、術後最低でも1〜2週間は禁酒が必要です。また、塩分の高い食事はむくみを助長するため、ダウンタイム中は薄味を心がけ、利尿作用のあるカリウムを多く含む野菜や果物を意識して摂取することも、早期回復に向けた有効なアプローチとなります。
ミッドフェイスリフトのデメリットとリスク

- 術後に生じやすい一時的な左右差や違和感
- 外科手術に伴う感染症や血腫のリスク
- 切開による傷跡の懸念と目立たせない工夫
ダウンタイム中に一時的な左右差や表情の違和感が生じる可能性
ミッドフェイスリフトを受けた後、ダウンタイムの期間中に顔の左右差や表情の不自然な違和感が生じる可能性があります。これは、人間の顔が元々非対称であることに加え、手術による腫れや局所麻酔の効き具合が左右で異なるために起こりやすい現象です。
特に術後1〜2ヶ月の段階では、引き上げた組織の定着具合や、むくみの引き方に左右差が出ることが多く、「片方だけ引き上がりすぎている」「笑った時の頬の盛り上がりが違う」といった不安を感じるケースが少なくありません。また、筋肉の動きが一時的に制限されることで、笑顔がぎこちなく感じられることもあります。
これらの左右差や違和感の多くは、時間の経過とともに組織が馴染み、腫れが完全に引くことで自然に解消されていきます。術後半年を経過しても明らかな左右差が残る場合は、再調整の対象となることもあるため、気になる症状がある場合は自己判断せず、担当医師に定期的に状態を確認してもらうことが重要です。
感染症や血腫など外科的アプローチ特有のリスク
ミッドフェイスリフトはメスを使用する外科的なアプローチであるため、他のあらゆる手術と同様に、感染症や血腫(けっしゅ)といった合併症のリスクが存在します。これらは発生頻度こそ低いものの、万が一引き起こされた場合には適切な処置が必要となります。
感染症は、傷口から細菌が侵入することで発生し、強い赤み、熱感、痛み、膿の排出などの症状を伴います。クリニックでは徹底した衛生管理のもと手術が行われ、術後には抗生物質が処方されますが、患者自身も傷口を清潔に保つ努力が不可欠です。異常を感じた際は、直ちに受診して適切な治療を受ける必要があります。
血腫は、皮膚の下で出血が止まらず、血が溜まって塊になってしまう状態です。術後早期に発生しやすく、片側の頬だけが急激に異常に腫れ上がったり、強い痛みを伴ったりするのが特徴です。血腫が疑われる場合は、溜まった血を抜き取る処置が必要となるため、迅速に医師の診察を受けることが求められます。
切開を伴う施術の場合は傷跡が残る懸念
強力なリフトアップ効果を得るために皮膚の切開を行うミッドフェイスリフトでは、どうしても傷跡が残るという懸念があります。メスを入れた皮膚は修復の過程で瘢痕組織を形成するため、完全に傷跡を無かったことにすることは現代の医療では不可能です。
傷跡は術後数ヶ月は赤みや硬さを伴い、目立ちやすい状態が続きます。その後、半年から1年以上の時間をかけて徐々に白く、細い線へと変化し、周囲の皮膚に馴染んでいきます。しかし、ケロイド体質の方や、術後に傷口へ過度なテンション(引っ張る力)がかかってしまった場合は、傷跡が幅広くなったり盛り上がったりするリスクもあります。
傷跡をきれいに治すためには、術後のテーピング保護や、紫外線対策、保湿ケアを怠らないことが重要です。傷跡の治り方には個人差が大きいため、カウンセリング時に自身の体質を医師に伝え、リスクを十分に理解した上で手術を決断する必要があります。
髪の毛の中やまぶたの裏側など傷跡が目立ちにくい切開位置の選択
傷跡が残るリスクを最小限に抑えるため、現代のミッドフェイスリフトでは、傷跡が極力目立たない位置を切開するアプローチが主流となっています。切開線のデザインは、術後の満足度を大きく左右する重要な要素です。
代表的なアプローチとして、こめかみ周辺の髪の毛の中(有毛部)を切開する方法や、下まぶたのまつ毛のすぐ下(睫毛下縁)に沿って切開する方法があります。これらは、髪の毛で隠れたり、顔の自然なシワと同化したりするため、最終的に他人が見てもほとんど気づかれないレベルに仕上がることが期待できます。
さらに、皮膚側には一切傷をつけず、下まぶたの裏側(結膜側)からアプローチする手法を採用しているクリニックもあります。どの切開位置が適しているかは、たるみの程度や引き上げたい方向、骨格によって異なるため、専門医の診察によって最適な方法を提案してもらうことが重要です。
ミッドフェイスリフトが向いている人の特徴

- ミッドフェイスリフトで改善しやすい具体的な悩み
- 根本的な治療による長期的な効果の持続性
- ゴルゴ線や頬のコケに対する効果的なアプローチ
目の下のたるみやほうれい線など中顔面の老け見え改善に効果的
ミッドフェイスリフトは、顔の中心部分である「中顔面」のエイジングサインに対して非常に効果的な治療法です。特に、加齢とともに目立ち始める目の下のたるみや、くっきりと刻まれたほうれい線に悩んでいる方に向いています。
年齢を重ねると、重力の影響や靭帯の緩みによって、頬の脂肪(メーラーファット)が下垂します。この脂肪の下垂が、目の下には段差やたるみを作り、その重みが鼻の横にのしかかることで深いほうれい線を形成します。ヒアルロン酸注入などの表面的な治療では、下垂した組織のボリュームを補うことはできても、たるみそのものを持ち上げることはできません。
ミッドフェイスリフトは、下垂した脂肪や筋肉群を元の高い位置へと直接引き上げ、固定する手術です。そのため、目の下のたるみとほうれい線の両方を同時に、かつ立体的に改善することができ、顔全体の印象を若々しく、明るく見せる効果が期待できます。
根本的な引き上げによる長期的なリフトアップ効果の持続
糸リフト(スレッドリフト)やレーザー治療などの切らないたるみ治療を繰り返しているものの、効果の持続期間に物足りなさを感じている方にも、ミッドフェイスリフトは推奨される選択肢です。
糸リフトなどは手軽に受けられる反面、効果の持続は数ヶ月から1年程度に留まることが多く、定期的なメンテナンスが必要となります。一方、ミッドフェイスリフトは、皮膚の深層にあるSMAS(表在性筋膜)や骨膜下といった深い層から組織を剥離し、根本から引き上げて強固に再固定します。
このように内部の構造から物理的に再構築を行うため、リフトアップ効果が後戻りしにくく、個人差はありますが5年から10年以上という長期的な効果の持続が期待できます。将来的なメンテナンスの負担やトータルコストを考慮した場合、一度の手術で長期間の若返り効果を得たい方に適した施術と言えます。
ゴルゴ線や頬のコケが気になり始めた人におすすめ
目頭から頬の中央にかけて斜めに走る「ゴルゴ線(ミッドチークライン)」や、頬の上部のボリュームが失われて生じる「頬のコケ」が気になり始めた方にとっても、ミッドフェイスリフトは根本的な解決策となる可能性があります。
ゴルゴ線や頬のコケは、単なる皮膚のシワではなく、顔の靭帯(リガメント)の拘縮と、その周辺の脂肪組織の萎縮・下垂が複雑に絡み合って発生します。ヒアルロン酸や脂肪注入で窪みを埋めるだけでは、不自然な膨らみが生じたり、表情を作った際に違和感が出たりするケースがあります。
ミッドフェイスリフトでは、原因となっている靭帯の癒着を適切に処理し、下垂した脂肪組織を引き上げて元の位置に再配置します。これにより、頬に自然な丸みと高さを取り戻すことができ、ゴルゴ線の解消と頬のコケの改善を同時に叶え、立体的で若々しいハート型のフェイスラインを形成することが可能になります。
10年先の美しさを支える当院のフェイスリフトメニュー
当院では、患者様お一人おひとりのたるみの状態や「どうなりたいか」という理想に合わせ、最適な術式を選択できる体制を整えています。一時的な変化ではなく、10年後も受けて良かったと実感していただけるような、土台からの根本的な若返りを追求しています。
形成外科専門医としての確かな技術に基づき、高度な解剖学的知識が必要な最深部へのアプローチから、気になる部位をピンポイントで整える処置まで、幅広く対応可能です。
| 施術メニュー | 施術の内容 | 費用の目安(税込) |
|---|---|---|
| ディーププレーンリガメント法フルフェイスネックリフト | 靭帯を根本からリリースし、顔から首までを劇的に若返らせる最高峰の術式 | ¥3,100,000 |
| SMASリガメント法フェイスリフト | 筋膜と靭帯の両方にアプローチし、自然で強力な引き上げを実現する標準術式 | ¥1,320,000 |
| ネックリフト | 首のシワやたるみに特化しシャープなフェイスラインを作る専門処置 | ¥660,000 |
| ペリカンリフト | 顎下のたるみを強力に改善し二重顎の悩みを解消する部分リフト | ¥330,000 |
| バッカルファット | 頬の深い層の脂肪を除去し、たるみ予防と小顔効果を狙う処置 | ¥275,000 |
| 頬顎下脂肪吸引(同時施術時) | リフトアップメニューと併用しフェイスラインをより鮮明に整える | ¥220,000 |
当院の料金には、事前のカウンセリング、局所麻酔、術後の検診費用が含まれています。なお、手術中の不安を和らげるための静脈麻酔や、専門の麻酔科医による全身麻酔を希望される場合には、麻酔科医の手配代と麻酔代を別途頂戴しております。
当院では「1年後の結果」だけでなく、3年、5年、10年と時が経つほどにその価値を実感していただけるような、生涯コストパフォーマンスの高い治療を目指しております。あなたの人生に寄り添う最適なプランを、一緒に見つけていきましょう。
中顔面リフトとハムラ法(裏ハムラ法)の併用による相乗効果

- ハムラ法が適応となる目の下の症状
- 併用手術によって得られる仕上がりのメリット
- 単独手術と比較した場合のダウンタイムの違い
目の下のクマや眼窩脂肪の突出にはハムラ法が適応
中顔面の下垂に加えて、目の下の膨らみや目袋、いわゆる「黒クマ」が強く出ている場合には、中顔面リフト単独ではなく、「ハムラ法」または「裏ハムラ法」との併用が適応となるケースが多く見られます。
目の下の膨らみの主な原因は、眼球を支えている眼窩脂肪(がんかしぼう)が前方に押し出されて突出することにあります。ミッドフェイスリフトは頬の組織を引き上げる手術であるため、眼窩脂肪そのものの突出を解消することはできません。
ハムラ法は、突出した眼窩脂肪を切り取るのではなく、目の下の窪んでいる部分(凹み)へと移動させて平らに敷き詰める画期的な術式です。これにより、膨らみと凹みの段差を同時に解消し、目の下のクマを根本的に治療することができます。皮膚のたるみがある場合は表側から切開するハムラ法、皮膚のたるみが少ない場合はまぶたの裏側から行う裏ハムラ法が選択されます。
同時施術により目元から頬にかけての滑らかな仕上がりが実現
ミッドフェイスリフトとハムラ法を同時に行う最大のメリットは、目元から頬にかけてのラインに段差のない、極めて滑らかで自然な仕上がりが実現できる点にあります。この領域は「オージーカーブ(Ogee curve)」と呼ばれ、若々しさの象徴とされる重要なS字カーブを形成しています。
目の下の治療(ハムラ法)だけを行った場合、目の下は平らになっても、その下にある頬の脂肪が下垂したままであるため、頬全体が平坦で寂しい印象になることがあります。逆に、ミッドフェイスリフトだけを行った場合、頬は持ち上がっても目の下の眼窩脂肪の突出が残り、不自然な段差が強調されてしまう可能性があります。
両者を併用することで、ハムラ法による「目の下の平滑化」と、ミッドフェイスリフトによる「頬の丸みと高さの再構築」が同時に達成されます。結果として、目元から頬全体にかけてのシームレスな繋がりが生まれ、より若々しく立体的な顔立ちを取り戻す相乗効果が得られます。
併用時は単独手術よりもダウンタイムが長引く傾向を考慮
高い相乗効果が期待できる併用手術ですが、考慮すべき重要なデメリットは、単独の手術を行った場合と比較して、ダウンタイムの症状が強く出やすく、期間も長引く傾向にあるという点です。
目の下から頬の中央部にかけて、広い範囲で組織の剥離や操作を行うため、術後の炎症反応は大きくなります。そのため、腫れや内出血の程度が強くなり、ピーク時の顔のむくみも顕著に現れる可能性が高まります。また、白目に内出血(結膜下出血)が生じるリスクも上がります。
ダウンタイムが長引くことを前提として、術後2週間から3週間程度は重要な予定を入れず、十分な休養期間を確保するなどのスケジュール調整が必須となります。医師とのカウンセリングでは、得られる美容上のメリットと、長引くダウンタイムの負担を天秤にかけ、自身のライフスタイルに合った選択を慎重に行うことが重要です。
中顔面リフト(ミッドフェイスリフト)の手術方法と施術の流れ

- カウンセリングから手術、術後検診までの流れ
- 切開法と糸リフトそれぞれの特徴と違い
- 後悔しないための医師との擦り合わせの重要性
| ステップ | 内容とポイント |
|---|---|
| 1. カウンセリング | 顔の骨格、皮膚のたるみ具合、脂肪の量を医師が診察し、適応を判断する。仕上がりのシミュレーションとリスク説明。 |
| 2. 手術日時の決定・検査 | 健康状態の確認のため、血液検査などを行う。仕事の休みなどを考慮し、適切な日程を確保する。 |
| 3. 手術当日 | 局所麻酔や静脈麻酔、全身麻酔などを併用し、痛みを抑えて手術を行う。所要時間は術式により1.5〜3時間程度。 |
| 4. 術後〜帰宅 | リカバリールームで腫れや出血の状態を確認し、問題なければ帰宅。患部の圧迫固定が行われる場合がある。 |
| 5. 抜糸・術後検診 | 術後約1週間で抜糸(切開の場合)。その後も1ヶ月、3ヶ月、半年等のタイミングで経過観察の検診を受ける。 |
カウンセリングからアフターケアまでの一般的な手順
中顔面リフトを受ける際の一般的な手順は、まず専門医による詳細なカウンセリングから始まります。ここでは、患者の骨格、皮膚のたるみ、脂肪のつき方を立体的に評価し、どのようなアプローチが最適であるかを診断します。仕上がりのイメージ共有や、ダウンタイムの具体的な説明もこの段階で丁寧に行われます。
手術当日は、デザインの最終確認を行った後、麻酔を施して手術を開始します。患者の不安や痛みを軽減するため、局所麻酔に加えて静脈麻酔(リラックスして眠ったような状態になる麻酔)を併用するケースが一般的です。手術時間は術式や併用手術の有無によって異なりますが、おおよそ1時間半から3時間程度を要します。
術後はクリニックのリカバリールームでしばらく安静にし、全身状態や患部の腫れ、出血がないかを確認してから帰宅となります。その後、指示された日程(通常は術後1週間前後)で抜糸を行い、数ヶ月にわたって定期的な術後検診を受けながら、完成までの経過を医師とともに確認していく流れとなります。
切開リフトと切らない糸リフトによるアプローチの違い
中顔面のたるみを引き上げるアプローチには、大きく分けてメスを使用する「切開リフト(ミッドフェイスリフト)」と、医療用の特殊な糸を使用する「切らない糸リフト(スレッドリフト)」の2種類が存在し、それぞれに特徴が異なります。
切開リフトは、下まぶたの縁やこめかみ周辺などを切開し、皮膚の奥の組織(SMASや骨膜下など)から広範囲に剥離を行って根本的に引き上げる方法です。余分な皮膚を切除できるため、重度のたるみにも対応可能で、効果の持続期間が長い(5〜10年以上)という強力なメリットがあります。一方で、ダウンタイムが長く、傷跡が残るリスクが伴います。
対して糸リフトは、コグ(棘)のついた糸を皮下組織に挿入し、組織を引っ掛けて物理的に引き上げる方法です。切開を伴わないため、局所麻酔のみの短時間で施術が終わり、腫れや内出血などのダウンタイムが非常に短いのが最大の利点です。しかし、引き上げ力には限界があり、効果の持続期間も数ヶ月から長くて1年半程度と、定期的な施術を前提とする点が異なります。
ダウンタイムや効果を踏まえた専門医との慎重な擦り合わせが必須

中顔面リフトは、顔の印象を根本から若返らせる強力な効果を持つ一方で、ダウンタイムの負担や外科的リスクを伴う高度な手術です。そのため、自身の求める効果と許容できるダウンタイムのバランスについて、専門医と慎重に擦り合わせを行うことが何よりも重要になります。
「長期間の休みが取れないため、効果は限定的でもダウンタイムの少ない糸リフトから始めたい」「一度の手術で根本的に治療し、長期的な効果を得たいので数週間のダウンタイムは覚悟できる」など、患者それぞれの状況や価値観によって最適な選択肢は大きく変わります。
カウンセリングでは、メリットだけでなく、デメリットや起こりうる合併症、万が一トラブルが起きた際の保証内容についても包み隠さず説明してくれる医師を選ぶことが大切です。自身の要望をしっかりと伝え、納得がいくまで話し合いを重ねることで、術後の後悔を防ぎ、理想の仕上がりを手に入れる第一歩となります。

中顔面リフト(ミッドフェイスリフト)に関するよくある質問
- 手術後の仕事復帰に関する目安とタイミング
- 将来的な皮膚のたるみに対する影響
- 術後の痛みへの対処法と受診すべき症状の基準
- 中顔面リフトのダウンタイム中に仕事はいつから復帰できるか
-
仕事への復帰時期は、職種や手術の規模によって異なりますが、デスクワークなどの身体的な負担が少ない仕事であれば、術後1週間から10日程度で復帰されるケースが一般的です。この時期になれば表面の抜糸も完了し、メイクで内出血を隠すことが可能になるためです。
ただし、接客業や人前に出る機会の多い職種の場合は、腫れや表情の違和感が目立ちにくくなる術後2週間程度の休暇を確保しておくことが推奨されます。また、肉体労働や激しい運動を伴う仕事の場合は、血圧上昇による再出血のリスクを考慮し、最低でも術後3週間から1ヶ月は控える、あるいは軽作業に回してもらうなどの配慮が必要です。
ダウンタイムの症状には個人差が大きく、予定通りに腫れが引かないケースも想定されます。可能であれば、復帰後も数日はリモートワークを活用したり、マスクや眼鏡の着用が許可される環境を整えたりするなど、柔軟に対応できる余裕を持たせておくと安心です。
- ミッドフェイスリフトは将来的に皮膚がたるむ原因になるか
-
「引き上げた皮膚が将来伸びて、かえってたるみがひどくなるのではないか」という不安の声を耳にすることがありますが、適切な技術で中顔面リフトが行われた場合、手術そのものが将来的なたるみの原因になることはありません。
現代のミッドフェイスリフトは、単に表面の皮膚を引っ張るだけの「皮膚切除」ではなく、皮膚の奥にある筋膜(SMAS)や骨膜といった強固な支持組織ごと引き上げて固定する術式が主流です。深部の組織を再構築するため、皮膚に過度な負担(テンション)がかからず、不自然に皮膚が伸びてしまうリスクは抑えられています。
もちろん、手術後も加齢による自然な老化現象は進行していくため、永遠にたるまないわけではありません。しかし、手術によって「時計の針を数年〜10年程度戻した状態」から再び老化がスタートすることになるため、何もしなかった場合と比較すれば、将来的にたるみが進行した際も、より若々しい状態を保つことができると考えられます。
- 術後の痛みが長引く場合の対処法と受診の目安
-
中顔面リフトの手術中は麻酔が効いているため痛みを感じませんが、術後に麻酔が切れると、ジンジンとした痛みや鈍痛を感じることがあります。通常、この痛みは術後数日間がピークであり、クリニックから処方される鎮痛剤を服用することで十分にコントロール可能な範囲に収まる傾向があります。
処方された鎮痛剤は、痛みを我慢せずに指示された用量・用法を守って服用することが適切な対処法です。また、患部を軽くアイシングすることも痛みの緩和に有効です。痛みのピークを過ぎると、次第につっぱり感や触れた時の違和感へと変化していきます。
ただし、処方された痛み止めを飲んでも全く効かないほどの激しい痛みがある場合や、一旦治まっていた痛みが術後数日経ってから急激に強くなった場合、また痛みに伴って片方の頬だけが異常に腫れ上がってきた場合などは注意が必要です。これらは血腫や重篤な感染症のサインである可能性があるため、我慢せずに直ちに手術を受けたクリニックへ連絡し、診察を受けることが重要です。


